2006年05月30日

経過と予定

■経過から。
吉田禎吾『日本の憑きもの 社会人類学的考察』(中央公論社、1972年)
→事例紹介に比重が置かれているものの、そこから展開される憑きものが社会においてどんな機能を果たしているかの考察が興味深い。娯楽の分野においては何やかやとノスタルジーとエキゾチズムの入り混じったイメージを作り出す小道具に使われがちな憑ものという概念は、実際のところ社会と経済の変動によって生じたものだという話。

井上順孝『神道入門 日本人にとって神とは何か』(平凡社新書、2006年)
→神道の概説を中心に、歴史的に見た変遷や成り立ち、制度の変化と社会の中でどのように伝えられ方が分かってきたのかを分析している。神道系新宗教といわれる大本教や天理教などにも触れられている。教養成分補充に。

宮元健次『神社の系譜 なぜそこにあるのか』(光文社新書、2006年)
→神社の配置を他の神社や自然地形との関連から分析しようとする。キーワードは夏至・冬至・春分秋分の日の日の出および日の入りの方角。ちょっと強引というか、文字で見ているとピンと来ない印象はあるが、ボリュームは軽めなので暇つぶしにもOK。

船木亨『メルロ=ポンティ入門』(ちくま新書、2000年)
→メルロ=ポンティの入門書…というよりは、筆者のエッセイに近い。メルロ=ポンティの思想がどのようなもので、それはどのように解釈されてきたか…というような講釈というよりは、その思想を筆者がどのように捉え、どのような内容へ発展させてきたか、といったほうが近い。そのため内容に独創性はあるが、入門書としての理解しやすさには欠ける…とあまり理解できなかった低脳の評。

□続いて予定。

桧垣立哉『生と権力の哲学』(ちくま新書、2006年)
→フーコーっぽいタイトルに釣られました。

伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(ちくま新書、2005年)
→発想法として得るものがありそうだったのでチョイス。

J・バトラー『触発する言葉―言語・権力・行為体』(岩波書店、2004年)を誕生日プレゼントに要求するかどうか迷い中。安いわけでもないのでどうしようかしら。
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2006年04月26日

一言で台無し

■「その一言が余計」と彼女からよく言われたりしますが、それに劣らず台無しにしてしまう一言が。

□三砂ちづる『オニババ化する女たち』より

「現実には女性は、若くても月経があれば子供は産めます。妊娠できるということは子供を産めるということですから、何も問題はないと思います。WHOは確かに、若年妊娠は低体重のリスクもあるので、避けるようにという指導をしていますが、それはあまりにも若い、月経が始まったばかりの十二、十三、十四歳ぐらいの子の話です。」(p195-196)

 要するに身体的成熟という観点からは、日本の一般的な結婚年齢というのは遅いぐらいですよ、大学を出たばかり、高校を出たばかりで出産しても早すぎるということはありませんよ、という主張。身体的成熟に限って言えば確かにそうかもなーと思えるわけですがこの先の「16歳を過ぎれば本当に何も問題ないと思いますし、」の続きが酷い。

■「先の若年妊娠のリスクというのも、あまりきちんとデータがとられたわけではなく、因果関係なども細かく見られていません。」(p196)

 この一文を読んだ瞬間、自分の中で「あまりきちんとデータがとられたわけではなくのガイドライン」が作成されました。

□前回のエントリで既に書きましたが、「〜と思います。」「〜ではないでしょうか。」「〜のはずです」満載のこの本、筆者の主張部分全てにこの「あまりきちんとデータがとられたわけではなく、因果関係なども細かく見られていません」をつけることが可能、という話。別にそういう内容の本を書いちゃいけないとは思いませんが(エッセイだと思えばいいわけですし)、しかし自分の主張に反するものに対して、自分に向けられたら回避不能な批判をするのはいただけません。

■結構実になる話もあるとは思うんですけども、何かを主張する本としては致命的ですね。流し読みで十分かと。
posted by mizu at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月24日

『オニババ化する〜』途中経過

■半分ぐらいまで読んだ感想としては『七草粥を頼んだと思ったらBIG丼が出てきた』。「〜と思う」「〜が多い」「のはずです」大盛りでお腹一杯です。少しは数字を出して欲しいなぁ。

□内容全部が全部くだらないってわけではないのですが、その主張を採用した際に生じると推測される不利益があまりに明白で、ちょっと自分には無理です。本質主義寄りのエコロジカル・フェミニズムという評をアマゾンで見た記憶がありますが、まさにそのとおり。

■この本を読んで素直に「そうなんだ!」と感激しちゃう女性とは結婚できないかも…という話。
posted by mizu at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月22日

読書記録

■小田亮『レヴィ=ストロース入門』(ちくま新書、2000年)と好井裕明『「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス』(光文社新書、2006年)、読み終わりました。

□レヴィ=ストロースのことは何も知らなかったわけですが、なかなか面白かったです。ジェンダー批評でも構造という言葉自体は良く使っていたと思いますが、筆者が主張するような厳密な意味での構造と変形の要素を意識して用いられているかというとちょっと疑問。ただ、二項対立的な要素がどのように割り振られているかという分析手法については近いものがあると思います。

■『「あたりまえ」を〜』は社会学の調査手法について論じているというよりは、筆者が重要だと考えている「生きられた」出来事を拾い上げることにまつわるエッセイだと捉えたほうがいいと思います。最初手に取った時は少し厚いかなと思ったんですが、1pあたりの文字数が少ないので案外さくさく読み終わりました。研究の参考に、というよりもモチベーション強化の為に読むといい類の本です。

□次はフロイト入門を読もうかなと思っていたんですが、どうも売れてしまって通勤経路の本屋にはなくなってしまっていました。amazonに発注が順当でしょうかね。届くまでは三砂ちづる『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』(光文社新書、2004年)を読みます。七草粥的な効用を期待して…ですが。

■でも女性に限らず人間一般の身体性って、現代社会においてどう扱われてるのか確たる考えはまだあんまり。機能や要素に分断されて断片化しているんだろうなぁ、とかその結果ポルノや労働力という形で誰かに消費されて/誰かを消費している、なんて月並みな話ですけど、そのレベル。

□一回書いてる途中でamazonのレビューを見に行く→ついでに他のブックマークも展開する→何をしているのか忘れる→ブラウザ閉じる→( ゚д゚ )…に。

■だからこっち見るなって。
posted by mizu at 00:18| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月09日

読書予定

■去年の四月からずっと購読していた『東洋経済』にそろそろ飽きてきたので購読休止。飽きてきた、というよりも投資家向けの記事内容が多いので何となくミスマッチを感じてきたというほうが正確でしょうか。べ、別に暫く投資に振り向ける経済的余裕がないからって僻んでるわけじゃないですよ…。

□週刊だったのでほぼ毎日電車の中で読む本があったわけですが、なくなってみるとあまり具合がよろしくない。どうも文章を読むことで、知識欲が満たされるというよりも、日常から離れた思考に浸ることによってストレスが解消されるようです。

■暫く振りに新書でも買おうかと本棚とにらめっこして二冊買ってきました。
武村政春『ろくろ首の首はなぜ伸びるのか 遊ぶ生物学への招待』、新潮新書
内田樹『寝ながら学べる構造主義』、文春新書

まだ『ろくろ首』の方しか読んでませんが、そのうち感想も書くと思います。『寝ながら』の方は構築主義と構造主義の違いがあんまりよく分かっていないので(えー)、お勉強を兼ねて。別に両者は対立するものではないと思うので、余計区別しにくい…わけでもないか。

□構築主義は物事の状態や性質は本質に由来するのではなく作り上げられたものであり、差異は原因ではなく結果とみなす立場で、構造主義は物事の中にある要素のカタチや構造に焦点をあてて物事を理解しようとするため、二つの物事の間にある差異=構造の違いはそれぞれ固有の性質であるとみなす立場…という理解でいいんでしょうか。物語における男と女の振る舞いの違いに焦点を当てていく場合、複数の作品に共通して見られる「男らしさ」や「女らしさ」を抽出・分析し、その結果から男らしさや女らしさを規定する普遍的なルールがあると考えるのが構造主義、その「らしさ」は自然発生したものではなく人為的に作られたもので変更可能だと主張するのが構築主義…なのかしら。そういや卒論でも構築主義とポスト構造主義しか触ってない気がするなぁ。

■大学出てるのに何も分からない俺カワイソ(´・ω・)ス。改めてお勉強しましょう。
posted by mizu at 22:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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